取材のノウハウについての手記③

正規軍とは戦うな
安田峰俊(Minetoshi Yasuda) 2026.09.26
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さて、取材ノウハウの話を続けます。今回は3記事目なので、純粋なノウハウからはすこし外れていそうな話を書きましょう。

正規軍と戦わない

「正規軍と戦わない」はフリーランスにとっては取材の鉄則です。

ここでいう正規軍とは、全国ネットのテレビ局とか全国紙とかのことです。身分について社会的信用があり、補給(取材費)がしっかりしていて、個人よりも組織の力で戦うプロ。そして、戦果が国民に向けて大々的に伝えられる集団。まさに「正規軍」です。

(さらに細かく言うと、NHK=米軍、民放各局=英仏独軍、朝日=強めの自衛隊、讀賣=人海戦術の人民解放軍、毎日=伝統があるけど予算不足で經國號戦闘機を運用し続ける台湾軍……みたいな印象です。他方、私はミャンマーあたりの強めの民間武装勢力に相当します)

正規軍VS武装勢力。正面から戦って勝てるかこんなもん

正規軍VS武装勢力。正面から戦って勝てるかこんなもん

なので、自分が戦うときは、前線でNHKに会ったら転進が鉄則です。

彼らは間違いなく、組織のローラー作戦で個人の私よりもはるかに正面からの情報を取れる。とりわけ、警察や官公庁へのアクセスの容易さや、対米外交だの官邸の動きだのの肌感覚、判例・登記・過去報道の精査といったロジスティクスでは絶対に太刀打ちできません。同じ戦場で、同じ戦法で戦っては絶対にダメな人たちです。

ゆえに、私は世間ですでに騒ぎになっている話題には、滅多に正面から突っ込みません。だって負けるから。正規軍の落穂拾いしかできず、記事の情報量が薄くなる。結果、次の仕事が来なくなり、やがて路頭に迷ってカラスに目の玉つつかれる暮らしを送ることになります。

──ならば、戦場の中央に正規軍が居座っていたらどうするか?

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