取材のノウハウについての手記②
引き続き、取材術のノウハウの話です。
悪口が使えることがある
前回、相手に気持ちよく喋ってもらう方法について書きました。実は「おだてる」「ちょっと厳しいことを言う」「肯定する」以外に、もうひとつ人の口を滑らかにする方法があります。それは悪口です。
これは特に、華人系の政治関係の人たちに対して有効です。
華人(中国人はもちろん香港人や台湾人も含む)は基本的に自己肯定感が高く「俺すげえ」「俺正しい」を言いたい人々。そして自分がリーダーになってリッチ&フェイマスになりたい人たちです。なので、自分と似たような分野にいて、競っていたり相手の方がうまくいっていたりする人については、心の中で好感を持っていないことが多い。
たとえば日本の某県は、在留中国人が3000人にも満たないのに、統一戦線工作みたいな怪しい活動に関与する華人団体がすくなくとも4つあります。
これは要するに、小さな権力をめぐって分裂しているということ。みんながヘッドになりたい『特攻の拓』のノリです。当然、お互いの仲は険悪。あきれた中国総領事館が「お前ら仲良くしろよ」と言っても聞きやしない。
こういうときはチャンスです。団体Aに行って他団体の悪口を聞く、団体Bに行って悪口を聞く……を繰り返すと、結果的に全団体がやっていることが事細かに明らかになります(もちろん裏取りは必要ですが)。
当局系の組織だけではなく、民主化運動組織やなんとか民族独立派みたいな組織も似たような感じです。
(余談ですが、「有事には国防動員法で在日中国人が一斉蜂起する!」とかいうネトウヨ系論理は、この一件を見ただけでも無理なのがわかります。彼らマジで団結しねえもん)
元国家指導者による「悪口」の魅力

陳水扁元総統。台湾政治においては高い評価を得られなかったが、かつて全国民の民選で2回選ばれた元国家指導者はやっぱり魅力たっぷり。元気に長生きしてほしい方ではあります
いわく、前任者の李登輝は、陳水扁の総統時代(2000〜2008年)に親父が息子に対するようなムーブであれこれ言ってきて大変だったと。しかも、総統だった時代と退任後に台湾団結連盟の精神的指導者になってからで喋ることが全然違うので困ったと。